『あたりまえのこと』アートになった点字新聞
VMDコンサルタントの藤井雅範(ふじいまさのり)です。
目の不自由な方の為の点字による資料。
新聞や選挙広報などがあります。
一見すると白いノートのように見えます。
しかしよく見ると、点字が打たれているのがわかる。
そんな点字による資料たち。
そういったものが、役目を終えた後の使い途について、考えたことは今までなかったです。
しかしアート作品として、ここに見事に蘇りました!
堀尾貞治さんによるパフォーマンス
元具体美術協会員の堀尾貞治さんによるアートパフォーマンス『あたりまえのこと』
過去にもこのブログで紹介しました。
今日は阿倍野ハルカスにて行われました。
今回は使用済みの点字資料がキャンパス。
壁と床に貼りめぐらされています。
堀尾さんが四角に枠を描いた以外の部分。
そこに参加者全員で点を描いていく、という企画です。
赤青黄色、茶に緑色の絵の具。
細いものから極太までの筆を使って。
老若男女十数人がどんどん点を描きます。
ボクも参加しました。
やっているうちに夢中になります。
楽しい時間が過ごせました!
浮き立つ白い四角
点を描けば描くほど、枠をとった白い四角が、まるで手前に飛び出すかのようにすーっと浮かび上がってきます。
ちょうどデッサンで、明るさを強調するために影を濃く描くように・・・
普通のノートと違い、点字資料はしっかり厚みもあり描きやすい。
点字による凹凸が作品に深みを与えます。
本来の役目を終えた点字資料。
こうしてボクたちが楽しい時間を過ごせ、また展示されることで観る人の目も楽しませる。
表現のヒントは思いもよらぬところにあったりする。
出来上がりが作品ではなく過程が作品
印象的だったのは製作に参加者している皆さんの姿です。
キャッキャキャッキャと喜び楽しそうに筆を入れる小さな子供たち。
熱心に、でも楽しそうに点を描く年配の皆さん。
こういった作品の価値は、出来上がった後ではなく、製作しているその状態にある!
改めてそう思いました。
しかし毎回ユニークな発想には驚かされるなぁ。
具体美術協会のリーダー吉原治良さんの『人のやらないことをやれ』というスピリッツ。
堀尾さんはずっと実践なさっていますね!
・・・・・そういうことです。
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